学校に行けなくなった息子を前に、シングルマザーの私がいちばん苦しかったこと
朝、ランドセルが玄関に置かれたままの光景を見るたび、
胸の奥がきゅっと苦しくなる。
「今日は学校、行く?」
そう聞いても、
息子は何も言わない。
責めたいわけじゃない。
でも私はシングルマザーで、フルタイムで働いている。
学校への欠席連絡も、仕事の段取りも、
全部ひとりで回さなければいけない。
だからこそ、
はっきり言ってほしい。決めてほしい。
そう思ってしまう自分に、
また自己嫌悪する。
もし今、同じような気持ちでこの文章を読んでいるお母さんがいたら、
まずこれだけは伝えたい。
あなたは冷たい母親なんかじゃない。
ただ、必死なだけ。
シングルマザーだからこそ、余裕がなくなる瞬間がある
ワンオペ育児。
仕事、家事、子どものこと、将来への不安。
「子どもの気持ちを最優先に」
それができたらいいけれど、
現実はそんなにきれいごとじゃない。
・仕事に遅れられない
・学校には毎日連絡が必要
・誰にも代わってもらえない
その中で、
黙り込む我が子を前にすると、
どうしても心がささくれてしまう。
「どうして言ってくれないの?」
「言葉にしてくれないと分からないよ」
そんなふうに思ってしまうのは、
一人で背負っているから。
それは、弱さじゃない。
言葉にできない息子は、サボっているわけじゃなかった
小学生の息子は、昔から言語化が得意なタイプではなかった。
気持ちはある。
でも、それを言葉にするのがとても難しい。
学校に行けなくなった理由も、
本人の中では「なんとなく」「うまく言えない」
そんな感覚だったのだと思う。
今振り返ると、
息子は反抗していたわけでも、
私を困らせようとしていたわけでもなかった。
ただ、決められなかった。フリーズしていただけ。
それに気づくまで、
私はずいぶん自分を責めた。
私がやめてよかったこと、やってよかったこと
理由を聞き出すのをやめた
「なんで行けないの?」
その質問をやめた。
代わりに言ったのは、
「今は言えなくていいよ」
「ママが考えるから大丈夫」
それだけで、
朝の空気が少しだけ和らいだ。
行く・行かないを“責めない選択”に変えた
以前は、
「行くの?行かないの?」と何度も聞いていた。
今はこう聞いている。
「今日は家で過ごす?それとも行ってみる?」
どちらを選んでも、
同じトーンで受け止める。
それだけで、
息子の表情が少し柔らかくなった。
学校の話をしない時間を作った
家にいるからといって、
ずっと学校の話をするのはやめた。
本の話、マンガの話、どうでもいい雑談。
「学校に行けない子」ではなく、
いつもの息子として接する時間を大切にした。
シングルマザーとして、いちばん大事だと思った言葉がけ
励まそうとしなくていい。
前向きな言葉を探さなくていい。
いちばん大事だったのは、これ。
「行けなくても大丈夫だよ」
「ちゃんと見てるからね」
「ママはあなたの味方だよ」
「今はそのままでいいからね」
この言葉は、
甘やかしではなかった。
息子にとっては、
「戻る力をためる言葉」だったと思う。
同じ立場のお母さんへ
不登校気味の我が子を前にすると、
母親はどうしても自分を責めてしまう。
特にシングルマザーは、
「私がちゃんとしなきゃ」と思いすぎてしまう。
でも、覚えていてほしい。
・悩んでいる時点で、あなたは逃げていない
・向き合っている時点で、十分すぎる
・完璧な対応なんて、誰にもできない
子どもは、
思っている以上に回復する力を持っている。
今は止まっているように見えても、
ちゃんと前に進む準備をしている。
※この記事を書きながら、
「不登校気味の子を育てるシングルマザーとしての気持ち」を
もう少し整理して書いた記事もあります。

おわりに
今日も答えは出ないかもしれない。
それでも、
本を読む息子の背中を見ながら、
「この子は、この子のペースで生きている」
そう思えたら、それでいい。
だって、生きているだけで、はなまるなんだから。
この文章が、
どこかで同じように悩んでいる
シングルマザーの心を
少しだけ軽くできますように。
この記事は、
「正解を出すため」ではなく、
「ひとりじゃないと感じてもらうため」に書きました。
必要なものは、
必要なタイミングで見つかります。
今日は、ここまで読んでくれたあなたが
少しでも楽になっていたら、それで十分です。




